タイの女性たち8名とカオヤイ国立公園へ1泊旅行してきた話(前編)

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ひょんなことから、フィットネスクラブ通っている女性たち約10名と知り合うことが出来た私。その後、その中のPから連絡があり、なんと1泊旅行に行かないかとお誘いを受けた。その時の話である。

「今度みんなで遊びに行くのよ。あなたも一緒に来る?」

その頃、年に2回の“里帰り”が私のルーティンとなっていた。夏休みに1回、連休等を利用しての1回である。今回の里帰りは、夏休みを利用するターンであった。

日本の夏休みの時期は、タイでは雨季に当たるため、シーズン的には最も良くない時期である。次第に黒雲が空を覆い始め、こりゃくるぞと思っていると、やがて堰を切ったようにスコールが辺り一帯を叩きつける。たちまち道路は冠水して身動き不能となる。豪雨よ早く止んでくれ、と願いつつ雨宿りした経験も少なくない。

だが、日本の梅雨空のように一日中雨が降り続くわけではない。また、日中には降らずに真夜中に降ってくれることも多く、過度に心配する必要もない。

その年の里帰りを目前に控えた頃、Pから連絡が入った。

「今度みんなで遊びに行くのよ。あなたも一緒に来る?」

聞けば、不定期だが、フィットネスクラブの仲間たちは、しばしば小旅行にでかけているのだという。そして今回、知り合った私をその会に参加させてくれるというのだ。

私はこういったハプニングを大歓迎している。パック旅行やツアーでは決して味わうことのできない体験ができるうえ、現地の人との親睦が図れるためである。

「もちろん参加させてもらうよ。ところで、どこに行くの?」

「パタヤとラン島に行く予定よ」

それは素晴らしい。だが、ここで私は余計な一言を口にしたことで、Pを怒らせてしまう。

「海に行くのはいいね。でも、雨季だから天気が心配です」

Pが短気であることを薄々気づいてはいた。したがって、発言には慎重になっておくべきだった。それなのに、不用意な一言により、Pの怒りに火をつけてしまったのだ。

「何よ! せっかくあなたのために調整してあげているのに」

Pは語気を荒げた。ごめん、そんなつもりではなかったのだと必死に取り繕い、Pの機嫌をなだめた。Pを感情的にさせると厄介なことになる。今後はもっと気を付けようと肝に銘じた。

行き先は海から山へ。パタヤからカオヤイへと変更となった

一時は開催が危ぶまれた小旅行だが、どうにか決行されることとなった。

ただ、目的地がパタヤの海からカオヤイの山へと変更されたのである。カオヤイとは、バンコクから東北方面に車で約3~4時間にある保養地である。国立公園に指定されており、自然を手軽に満喫できるとあって、バンコク都民からも人気が高い。

パタヤを陽とするならばカオヤイは陰。パタヤを動とするならばカオヤイは静。また、パタヤをラオウとするならばカオヤイはトキ、といったところであろう。

タイのおばちゃんたち約10名と行く1泊旅行。今回の里帰りも面白くなりそうだ。そんな期待を胸に、バンコクへと里帰りしたのであった。

運転手付きのチャーターされた車でカオヤイへと出発

「朝8時にアソークで待ち合わせよ」

Pから指示があった。私は金曜日にバンコクに到着し、まず1泊する。翌日の土曜日はカオヤイで泊まり、日曜日にバンコクで解散、のプランである。

私はアソークで宿泊したものの、ソイの奥深くにあるホテルに泊まったことから、キャリーケースを引きずりながら歩くのに手間取ってしまった。ゆえに、待ち合わせ時間に2分ほど遅れてしまったのである。

「遅いッ!」

Pの雷が落ちた。「車でアソークまで来るのなら渋滞で遅れてくるだろう」と高をくくっていたのだが、どっこい、彼女たちは驚くべきことに5分前行動を採っていたのである。時間の感覚が緩い一般的なタイ人ならば、平気で数十分は遅れたりするものだが、流石はハイソ? なお嬢さんたち御一行である、時間には厳格だ。遅刻したことに恐縮しながら、ハイエースに乗車した。

タイには、バスやタクシーの他にも、「ロットゥー」と呼ばれる乗り物がある。乗り場と目的地が予め決められており、狭い車内にギュウギュウ詰めとなって乗り合う形式のため、極めて安い運賃で利用することができるのだ。白い車体のハイエースにタイの国旗をあしらった赤と青のラインが入っており、すぐにそれだと分かる。

今回登場したのは、同じハイエースでも銀色の車体であった。バンコク都内を現地のツアー会社を利用して観光する場合、その時の申し込み人数がたまたま多ければ観光バスになるが、逆に少なかったケースであてがわれるタイプの車であった。

今日来るおばちゃんのうち、誰が運転するのだろう? との疑問が解けた。どうやらこの小旅行のため、運転手付きで車をチャーターしたようであった。ということは、運転手も1泊するはずだが、一緒に泊まるのだろうか? 

タイのガソリンスタンドは給油だけじゃない。買い物も飲食もできるナイスなスポット

車内には、前回ピンクラオで食事を共にした見覚えのあるおばちゃんの他、初めて見る顔もあった。20代から50代までの、総勢8名のタイ人女性である。行きの車内は賑やかな声と笑い声が響き渡り、さながら修学旅行の観光バスのようである。

車はしばらく走行して街中の渋滞を抜けた頃、飲料水調達とトイレ休憩を兼ねて、ガソリンスタンドにピットインした。

たとえば、東京23区のスタンドには、3台くらいで満車となるような小さなスタンドがあるが、タイは国土に余裕があるためか、スタンドにはかなりのスペースがあって、ゆったりと給油することができる。

また、スタンド内にはコンビニやスーパー、それにお洒落なカフェ、さらには屋台までもが出店しており、どちらかといえば日本の高速道路のサービスエリアに近い賑わいを見せている。

ただ、トイレはそれなりに臭い。男子小用については、屋外で用を足すタイプも多く、開放感を得ることができる。中には滑り台を横にしたような、複数人が同時に思い思いの立ち位置で放水可能な合理化された便器もある。これは端から排水口に向かって緩い傾斜がかけられていて、自然と流れゆく仕組みになっている。

アンティーク調でまとめた娯楽施設で昼食。眼下には川が流れていた

さて、そこが目的地のカオヤイ地区であったのかどうかは分からないのだが、我ら一行は昼食を摂るため、ある施設へと車を向けた。

施設は、アメリカンなアンティークがテーマになっているかのようであり、ガソリンの給油機やら古い看板やらがディスプレイされていた。なぜか、スパイダーマンやウルトラマンの人形もあった。

この謎の施設にも当然食事をするところがある。ここの売りは、すぐ下を川が流れているというものであり、濁っていて、高原の小川のせせらぎには遠く及ばないが、多少のマイナスイオンを感じつつ食事をすることができた。

さて食事も終わり、宿に向かうのかと思いきや、タイの女性たちの「大好きなこと」を、ここで知ることになる。

タイ人女性の大好きなこと、それは自分の写真を撮りまくること

前述したとおり、この謎の施設はアンティーク調のディスプレイが多くあって、写真を撮っておきたい気持ちは分かる。だが、目的はそうではないらしい。あんなポーズや、こんなポーズで、とにかく自分が写った写真を撮りまくりたいらしいのだ。

「ヌーン、ソーン、サム(1,2,3)。カシャ」

あちこちで聞こえるシャッター切るよの合図。大撮影会の始まりであった。ニッコリ笑顔のパターンあり、はにかんだパターンあり、上目遣いの悲しげな表情のパターンあり。一体、何枚写真撮るのと半ば呆れてしまったのだが、これはほんの序章に過ぎなかったのである。

(つづく)

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