タイの女性たち8名とカオヤイ国立公園へ1泊旅行してきた話(後編)

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20代から50代までのタイ人女性、8名とカオヤイへと1泊旅行に出かけた。我々を乗せた車は、昼過ぎに宿泊先へと到着したのであった。

宿泊先は、周囲の自然を味わえるコテージだった

1時間弱の大撮影会が終わると、今夜の宿泊先へと車は向かった。どんな宿に泊まるのだろうかと期待しつつ、車が到着するのを待った。

日本でも、〇〇高原と呼ばれるような場所には、バンガローやらコテージやらが立ち並び、緑の中で避暑を楽しむことのできる保養地があるが、我々が到着した先もそのような場所であった。

周りにはコンビニすら見当たらず、夜には闇の中から虫の音だけが聞こえてきそうな静かな場所だ。

この先コテージ⇒

みたいな手書きの案内板を過ぎると、一帯にいくつかのコテージが見えた。管理棟的な建物でチェックインを済ませる。このとき、トマトを使ったウエルカムスムージーが提供されたのだが、よく冷え、甘く、美味であった。

「あらら、また始まったよ」

そしてまた、ここでも女性たちによる即席の撮影会が始まってしまったのである。だが幸いにも、管理棟という限られたスペースでもあったことから、撮影会は比較的早く終了してはくれた。

自然を活用したアミューズメント施設でバギーを体験

我々が次に向かったのは、自然を活用したアミューズメントパークであった。殺風景な田舎町に構える体験型アトラクションの姿を見るに、かつて緑山スタジオに存在していた「風雲たけし城」を彷彿とさせた。

緑が豊富な施設でもあり、そこでは乗馬体験ができたし、西部劇をイメージした建物もあった。私は中でも、ダートコースを走るバギーを試してみた。意図的に作られたと思われる水たまりに誤ってタイヤを突っ込ませてしまい、跳ね上がった泥水を浴びた。

その他にも、遊べるアトラクションはあったのだが、相変わらず女性陣は写真撮影にご執心であり、それらに興味を見せることはなかった。

時刻が17時を回った。そろそろお腹も減ってくる頃だ。我々は次なる目的地であるレストランへと向かった。

まるで西洋の古城。「スモークハウス」で暮れなずむカオヤイの山々を見ながら優雅に食事

バンコク中心部にある富裕層向けのレストランでもない限りは、タイのレストランといえば雨よけに屋根だけがあって壁のない半家屋のそれをイメージしてしまう。

だが、我々が到着した先は、そのイメージを根底から覆すものであった。石垣の上に立つ白い石造りのヨーロピアンな建物。しかも、塔まで備わっているのだ。目隠しされたまま連れてこられ、ハイここどこだ? と尋ねれたならば、とてもタイとは思えず、西欧の歴史ある町の一つを答えてしまうかもしれない、そんな雰囲気がある。

広大な敷地に相当な大きさの豪奢な建物。女性たちの写真撮影魂に火が点かない訳がない。

ただ、被写体は変わらずとも、その圧倒的な舞台により、出来上がった作品を見ると、女性たちは、いつも以上に綺麗に写っていた。

18時過ぎ、陽が傾き始めてきた。このスモークハウスは、建物内にはシャンデリアがあって、舞踏会でもやるかのような造りになっており、また、生演奏なんかもやっているので、ムードも最高である。

だが、絶対的におすすめなのがテラス席である。我々は迷うことなくこの席をチョイス。メニューを見ると、肉を中心とした西洋料理だったように記憶している。カオパッド(チャーハン)やカオマンガイなどの庶民的なタイ料理は、このレストランには全くそぐわない。上野の聚楽食堂で洋食を食べることよりも100倍はお洒落と言ってよい。

あれやこれやとオーダーしていると、見よ、今まさに陽がカオヤイの山々に沈まんとしている。暮れなずむカオヤイを眺めつつ、心地よいそよ風を頬に受けたそのひと時は極上であった。

食事が運ばれてくる頃には、すでに日没を終えていた。ライトアップされた白い巨塔は、ロマンチックな雰囲気で包まれている。家族や友人たちとの小旅行はもちろんのこと、カップルにも最適なレストランであった。

夜のコテージでは、タイ人女性とトランプ合戦。「とんがれ! とんがれ!」

印象的なレストランを後にして、我ら一行は宿へと戻った。途中、民家と雑貨屋を兼ねているような個人商店で飲み物やおつまみを購入し、コテージへと到着。

コテージは二階建てでリビング以外に2部屋か3部屋あったと思う。私一人が男であったため、部屋割りがどうなるのかと思っていたが、どうやら女性陣は全員二階で寝るようだ。

女性陣がお出かけ着からベティちゃんやらのイラストが入った部屋着に着替えてリビングに集まると、お待ちかねのトランプ合戦の火ぶたが切って落とされたのである。

タイの女性はトランプ好きとは聞いたことがあった。確かにそうであった。

女性陣が遊んでいた種目は、タイ語で「ポッカ」と言っていたように聞こえた。ポーカーからきているのかもしれない。初めは戦いを見学していた私だが、みんなにルールを教えてもらい、参戦することになった。

そのルールは最早忘れてしまったが、ブラックジャックとか、おいちょかぶに近いゲームだったように思う。

私はポーカーフェイスとは真逆の作戦を採り、わざと声をあげたり、大袈裟な仕草でおばちゃんたちを幻惑してみた。その甲斐あってか、なかなかの好成績を収めたとも記憶している。

「そろそろ寝よう」

リーダー的なおばちゃんが音頭を取り、カオヤイでの長かった初日が終わった。

カオヤイの朝は早い。爽やかな朝靄の中、またしても撮影会。そして福引大会

牧場の朝は乳搾りから始まる。きらりと光る草の露と澄んだ空気が気持ちよい。一方、ここカオヤイも負けてはいない。乳搾りの代わりに、記念撮影から一日が始まったのだ。

なぜなら、コテージの外に出ると、あまりキレイとは言えないが小川のようなものも流れているし、また、手入れされた芝生とまでは言えないが緑の広場のようなものがあり、みんなでジャンプして最高到達点に達した瞬間にシャッターを切ってみたり、「草木と私」と題するような一枚を撮ったりするのに適していたからだ。

さらに、東屋のような昼寝が気持ちよさそうな建物もあった。

「うん、いい場所を見つけたぞ」

私はPに「後でみんなをここに集めて欲しい」とお願いした。実は今回の小旅行に参加すると決まった時、女性陣に何かお礼をしたいと思い、東急ハンズでお土産を購入していたのである。で、単にお土産ですと渡すのも芸がないため、これまたタイ人が好きと聞くクジ引きを行って渡すサプライズを仕掛けようと考えていたのだ。

「皆さん、今回は私をカオヤイに連れてきてくれてありがとうございました。私からの、お礼のしるしです」

中身は大したものではなかったが、それでも一人ずつクジを引いてもらい、出た番号の景品を渡すとお礼の気持ちが少なからず伝わったようで、ツーショットで写真を撮りましょう、とそれぞれの女性とファインダーに収まった。

小さくまとまった欧風のショッピングモールからローカル食堂へ

コテージを出立する時が来た。僅か一晩の付き合いでも別れはツラい。オーナー氏に別れを告げると、3人乗りした中学生くらいの女の子がバイクで道を走り抜けていった。私はPに無免許運転だし危ないではないか聞くと、タイにおいては、中学生の無免許3人乗りは「ダメだけど、イイ」のだそうである。

さて、我々が本日最初に向かった先はショッピングモールであった。カオヤイは田舎町でも色んなスポットが備わっている。そのモールは巨大ではなかったが、ここもヨーロピアンをコンセプトに店づくりがされているようで、ここではみんなでアイスクリームなぞを食べた。

一回りするとお昼時だ。今度は昼食を摂るため、食堂へと車を走らせた。

途中、どうやら道に迷ったようで、車は左に折れ、右に曲がり、多少のロスタイムを経て食堂にたどり着いた。食堂の周りは、日本人がイメージするタイの風景の一つのようであった。つまり、強い日差しが樹木を照らし、日に焼けた半袖短パンの現地人が木陰で涼んでいる。そんなような一角にある食堂であった。

屋根だけの作りのその食堂は、それでも結構なお客さんが入っていた。私は鶏肉やカオニャオを食べた。大勢で食べるタイ料理はとても美味しい。何だか心も大らかになっていくようだ。

腹ごしらえを終えると、旅も終盤戦である。次に向かったのは、アウトレットモールであった。

中規模? のアウトレットモールでウインドウショッピング。そしてチョクチャイファームへ

昼前にショッピングモールに行ったばかりだが、今度は中規模のアウトレットモールへとやってきた。中規模と言ったのはタイの巨大な商業施設を念頭にしたからで、日本で言えば大規模と言えるアウトレットであった。ラコステなどの有名店も多く店を構えていたが、日曜日だというのに、それほど混んではいなかった。

すでに旅の疲れが出始めてはいたが、最後の気力を振り絞ってモール内を歩いた。しかし、タイは本当に商業施設が充実していて、飽きることがない。いろんな場所に、いろんなモノがある。もっとも、大都市バンコク近郊だからこそなのだろう。

アウトレットを出て向かったのは、チョクチャイファームという酪農場であった。

筋肉少女帯の大槻ケンヂをドーピングさせたような屈強な男が武器を手に無言のパフォーマンスをしていたので、私も一緒に写真に写してもらった。ここではお土産などを購入した。

旅もいよいよグランフィナーレ。さよならするのはつらいけど・・・

これでバンコクへ帰るのだな、と思うと、楽しかった小旅行があっという間に終わってしまう寂しさを感じた。ありがとう、タイの女性たち。私は昨日からこれまでの旅を振り返っていた。

だが、旅はまだ終わりではなかったのである。最終チェックポイントである、お花畑に車は停車したのだ。

ボウリング場の入り口には大きなボウリングのピンが掲げられているように、そこは大きなトウモロコシが掲げられていた。車を降りて、建物の裏手に回る。そう、そこは一面のトウモロコシ畑が……あれ、ないぞ。

トウモロコシの代わりに、何の花かは分からないが花が一面に咲いている。うむ、キレイである。ここでもお嬢さんたちは最終チェックポイントであることも手伝ってか、写真を撮りまくっている。思う存分、写真を撮ってくれ、いや、私も一緒に写ろう。

菜の花畑に入り日も薄れ始めると、この旅の旅程も完了した。

「さぁ、帰るわよ」

車は一路バンコクへと向かった。今度こそ寄り道なしである。帰りの車内で車に揺られると、2日間の疲れもドッと現れ、いきおい、口数も少なくなる。小中学生の時に感じた修学旅行の帰りのバスと同様に、夢のような非日常から現実へと舞い戻っていくその瞬間は、寂しさもMAXだ。

「おほん。えー、私から皆様に一言お礼を言わせてください」

車がバンコクへと近づいたころ、私はこの小旅行に参加させてくれた異国の女性たちに心からお礼を述べたくなり、一席ぶった。2日間の楽しかった出来事と感謝の気持ちを伝えたのである。

日本のおばちゃんたちなら、氏素性も不明な外国人と一緒に一泊旅行に行くなどということがあろうか。いや、ない。タイ人の陽気さ、大らかさをこの小旅行で実感した。

「またお会いしましょう。ありがとうございました」

車はスクンビットに到着し、私が初めに降車した。銀色のハイエースの後姿を見送ると、実がぎっしり詰とまったタイの女性たちとの小旅行は、幕を閉じたのであった。

ちなみに

今回の小旅行の会費は、2,000バーツであった。車と運転手のチャーター代、宿泊費、食費等、すべてひっくるめてこの値段である。足りない分を、きっと女性たちが負担してくれたのだと思われる。この場を借りて、再び、御礼申し上げる。

なお、運転手氏が、どう一夜を明かしたかであるが、彼は車内で夜を明かしたのだという。嫌な顔せず、色んな場所に連れて行ってくれた運転手氏にも、感謝である。

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