「微笑みの国」は本当か? タイ人の微笑み度をチェックしてきました

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「微笑みの国、タイ」と検索すれば、「タイ人はいつも微笑みを浮かべています」的なことが書かれたサイトがゴマンとヒットします。知り合いはもちろんのこと、我々見ず知らずの外国人に対してさえ、温和な微笑みを浮かべてくれるタイ人。そんなイメージを漠然と抱いているタイ未体験者の方も多いかもしれません。

しかしながら、タイに何度か訪れた方ならば、「嘘つけ! そんなことないぞ」とその喧伝に疑いの気持ちを抱き始めているのではないでしょうか? ガイドブックが言うように、タイ人は四六時中、微笑みを浮かべているわけがありません。

では、「タイ人はどれだけ微笑んでくれるのか?」この疑問に迫るため、私は密かに、タイ人の「微笑み度」をチェックいたしました。そのときのエンマ帳を、ここに公開いたします。

なお、微笑み度は、最高点が5点で、最低点は✖です。

対象者ファイル 1

職業:ホテルフロントスタッフ

性別:男

年齢:アラサー

微笑み度:☺☺☺☺☺

寸評:はっきりと作り笑顔だと分かるものではあったが、体つき同様、ホンジャマカの石塚によく似た、目がへの字型になる笑顔で応対してくれた。むしろ不機嫌そうなチェックイン対応をするホテルスタッフが多い中で、彼の笑顔は満点に近いものだった。

対象者ファイル 2

職業:ハンバーガーショップ店員

性別:男

年齢:20代前半

微笑み度:☺

寸評:飲み水もそうだが、タイではスマイルは無料ではないようだ。ほとんど無表情で淡々とオーダーをとっていた。「ありがとうございました」もなし。

対象者ファイル 3

職業:スーパーのパンコーナー係

性別:女

年齢:20代半ば

微笑み度:✖

寸評:「サンキュー」とも「いくらです」とも言わない。全くの無言かつ無表情。イサーンの田舎から上京し、厳しい出稼ぎ生活なのだろうが、もう少し愛想よくしないとパンも売れないのではないだろうか。甘い菓子パンが好物であることは、その体型から想像できた。

対象者ファイル 4

職業:アイスクリーム屋アルバイト店員

性別:女

年齢:22歳

微笑み度:☺☺☺☺

寸評:「写真を撮らせて」とお願いしたところ、笑顔の質が急に2倍にアップした、某大学に通う女子大生アルバイトである。タイの女性は、とにかく自分の写真が大好きであることを再認識させられた。

対象者ファイル 5

職業:両替屋スタッフ

性別:女

年齢:20代後半

微笑み度:☺

寸評:およそ両替屋において、店員が笑顔であったためしはないが、ここでも同じ体験をした。ぶすっとしていた訳ではないが、「あーあ、早く仕事終わんないかしら」という表情であった。

対象者ファイル 6

職業:タクシー運転手

性別:男

年齢:50代

微笑み度:☺

寸評:タクシーの運転手の中には、こちらが日本人だとみるや、「トヨタ、ホンダ、ナンバーワン! ハッハッハ」などと積極的にコミュニケーションを図ってくる陽気なオヤジと出くわすことがあるが、大部分の運転手は、こちらが告げた行き先に頷いたきり、無言を貫くタイプが多い。今回の運転手もカーラジオの番組を聴きながら、ただ黙って運転していた。

対象者ファイル 7

職業:シーフードマーケット受付

性別:女

年齢:30代前半

微笑み度:☺☺☺☺☺

寸評:遠目ながらも私を見つけると、「サワディカー」とニッコリしながら挨拶してくれた。これこそが微笑みの国タイの笑顔であろう。ここまでできるスタッフは、なかなか珍しい。

対象者ファイル 8

職業:タイマッサージ施術師

性別:女

年齢:50代

微笑み度:☺☺

寸評:マッサージ施術師を調査してみた。見た目はずっと更けているが、実年齢は50代と思われるおばちゃんである。微笑み度は2点を付けたが、実は微笑みというよりも、むしろ「フフフ」と薄ら笑いを浮かべていたのであった。おばちゃんの真意は測りかねたが、無事に足マッサージの60分を切り抜けた。

対象者ファイル 9

職業:MKレストラン店員

性別:女

年齢:20代

微笑み度:☺☺☺☺

寸評:MKレストラン店員ともなれば、お客が来たなら一応は「サワディカー」と挨拶はする。だが、笑顔まで作るかどうかと言えば、ノーである。ここで私は、自分から相手に微笑みかける実験を試みた。するとどうだ、彼女も同じような笑顔を返してくれたのだ。鏡の法則と言えるべきものが働いた実例であった。

対象者ファイル 10

職業:タイマッサージ施術師

性別:女

年齢:10代後半

微笑み度:☺

寸評:再びマッサージ施術師にご登場願おう。彼女も一見してイサーンから出稼ぎにやってきたことが分かる容姿をしていた。マッサージの腕はまだまだで、これから学ぶべきことが多いものであったが、施術中は他のスタッフと無駄口を叩くこともなく、黙々と仕事をしていたのが好感を持てた。笑顔はゼロ。その健気な働きぶりに、私はチップをはずむことを決意していたのである。ところが、通常のスレた施術師なら帰り際に「チップくれ」とおねだりの表情を浮かべてくるのに、彼女は施術が終わると、サッサと店の奥に消えていってしまったのであった。謙虚なところもマル。

対象者ファイル 11

職業:ビッグCのレジ係

性別:男

年齢:20代

微笑み度:☺☺

寸評:笑顔で「いらっしゃいませ」はなかったものの、別の記事「これがタイのエナジードリンクだ!」で述べたとおり、虎の絵が描かれたドリンクの名前は何かと尋ねたところ「レンギュー」とレジで力こぶを作る仕草をしながら「パワフルという意味さ」と教えてくれた。

http://bangkok-around40-hitoritabi.club/energy/

対象者ファイル 12

職業:チャットチャック市場の親父

性別:男

年齢:60代

微笑み度:☺☺☺☺

寸評:集客をせずとも、膨大な数の買い物客が押し寄せることで知られるチャトチャック・ウイークエンドマーケット。ともすれば、まともに接客するのもバカらしいとばかり、家でくつろいでいる時と変わらぬ姿勢を見せる店主もチラホラ。でも、この店のオヤジには光るものがあった。私があるバッグに関心を見せると、積極的に「これはウォータープルーフ仕様になっていて、水に濡れても安心だよ。しかも頑丈に作ってあるから、とっても長持ちするでやんす。さぁ、手に取ってご覧になって頂戴」とゆったりとした優しい口調で、にこやかに語り掛けてきたのだ。今まで体験したことのない接客に私も戸惑ってしまったが、ホッコリとした気分にさせてくれた店主であった。

対象者ファイル 13

職業:ショッピングモールのおもちゃ屋店員

性別:女

年齢:40代前半

微笑み度:☺☺☺

寸評:「飯を食う」「スマホをいじり倒す」「物思いにふける」というのがタイのショッピングモールにある個人商店店員のデファクトスタンダードであるが、私が入店すると、ここのおばちゃん店員はスマホをいじっていた手を止めて「アラ、あなたのこと憶えているわよ」と軽い笑みを浮かべて見せた。このおばちゃんとは数年前に出会っており、その時のおばちゃんは子連れ出勤をしていて、私はその子と一緒に遊んだ記憶がある。

対象者ファイル 14

職業:ターミナル21のTシャツ屋スタッフ

性別:女

年齢:20代後半

微笑み度:✖

寸評:この店員も御多分に漏れずスマホに熱中しており、お客があろうがなかろうが、自分の世界に入りきっていた。これは良くない。教育的指導をせねばならない。私は彼女に仕事をさせるため、あえて「このTシャツ割引あるの?」と尋ねてみた。すると女店員は「割引いてあるわよッ! そこに書いてあるでしょッ!」と極めて不愉快そうに言い放つと、熱中していたスマホの世界に戻っていった。

対象者ファイル 15

職業:タイマッサージ施術師

性別:女

年齢:20代後半

微笑み度:✖

寸評:この施術師が在籍しているのは、某所にポツンとある、ローカルなマッサージ屋である。軽く足マッサージでもしてもらおうかなと近づくと、店の前で監視するように、こちらの動向を窺っていた。施術師がよくやる、日本人への「アナター、マッサージ」というお決まりの呼び込みもなく、ただジッと路地裏の猫のように私を観察していたのだ。私はその威圧感に押されてしまい、入店できずにUターンしてしまった。

対象者ファイル 16

職業:スイーツショップ店員

性別:女

年齢:20代前半

微笑み度:☺☺☺☺☺

寸評:最後にとびっきりの笑顔をご紹介して、この調査を終える。本記事のトップ画像の店員さんにご登場願おう。ケロケロケロッピのTシャツと屈託のない底抜けの笑顔がよくマッチしている。イサーンの太陽の下、のびのびと育まれたのであろう。カメラを向けると、ご覧の表情である。南国育ち特有の大らかな性格は、接客を受ける側にも笑顔をもたらしてくれる。

※彼女の笑顔に会ってみたい方、ご希望あれば、こちらのお店をレポートいたします。

微笑みの国調査を終えて

「微笑みの国タイ」この言葉は額面どおりに受け取ることはできず、水増しされたスローガンであることが今回の調査から浮かび上がってきた。エキゾチックな顔立ちのタイ人女性が、訪れた外国人に対して「ようこそタイへ」とばかりにワイしながら優しく微笑んでくれるー。

それは我々が勝手に作り上げた幻想であったといえよう。タイの旅先における様々なシーンで、日本とは異なる接客態度に狼狽してしまうこともあるだろう。しかしタイに入ってはタイに従えである。日本の常識は通用しないのだ。

「ナンダイ宣伝文句と違って微笑みがないゾ」と怒るのは早計である。もしかしたら、日本では味わえないような「本当の笑顔」に出会えるかもしれないのだから。

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