占いは当たるのか? タイで体験した結果と日本人占い師の実力を講評(後編)

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天に軌道のあるごとく、ヒトの人生には運命というものを持っております。タイ人ローカル占い師の元にタイ語通訳として日本人カラオケ店ホステスを同伴し、人生初の占いを受けることになった私。生まれた日時の星の配置から、今まさに私の運命が告げられようとしていたのでした。

どうしたタイ式西洋占星術。どれも当たっていないぞ

書物を参照してチャート図を作成し、お父さん占い師から出された私の運命に関する第一声は、

タイ人占い師

「あなた、子供の頃、すごく苦労したでしょ?」

であった。どの程度の苦労を指しているのか分からないが、食べるに困って夜逃げをしたとか、孤児院に預けられたとかの事実はない。そんなことはありませんよと答えると、お父さん占い師は再度、手元のチャートに目を落とし、

タイ人占い師

「あなた、若い頃、体の具合を悪くしたでしょ?」

と、またしてもネガティブな解析。そんなに私の星は悪いのだろうか。いいえ、ずっと健康でしたと答えると、お父さん占い師の顔が険しくなった。その後も問答は続いたが、お父さん占い師が述べたことは、どれもこれもハズレていたのだ。しばらく考え込んだお父さん占い師は私を見て一言、

タイ人占い師

「あなた、目が悪いでしょ?」

お父さん占い師の指摘がズバリ的中したのはこれだけだった。占い時の私はメガネをかけていたのだが、大した洞察力であるといえようか。通訳担当のテンも、「当たった? 当たった?」と興奮気味であり、お父さん占い師の表情も満足げなものへと戻った。

その後、お父さん占い師がおっしゃるには、人生を好転させるためタンブンせよとのこと。それも、病院でするのが吉だと言う。幸いにも近くに病院があるようで、ここを出た後、テンが早速連れて行ってくれることになった。病院の待合室には募金箱があったので、そこへ奮発して200バーツをタンブンした。

以上のように、私の占い初体験は不完全燃焼のまま閉幕した。見料300バーツ。しかしローカルタイ人占い師の元に行くのなら、相当に日本語が上手なタイ人を通訳として同席させるべきだろう。

なぜなら占い師との問答がスムーズに行えず、結果、セッションが不首尾に終わってしまうからだ。この点は反省させられた。だが、わずか300バーツで私の好奇心を十分に満たしてくれたので、それでも良い経験ができたと思っている。

タンブンの後、テンにはアタイが通訳してやったのだという大義名分があるためであろう、「飯を喰わせろ」と言うのでMKレストランへ。初めは和食が食べたいと高級店を名指ししてきたので、これについてはキッパリと却下した。テンはしぶしぶ入店したMKレストランにおいて、店の同僚のためにとお持ち帰り用ローストダックを図々しくも勝手に注文した。

その後もビッグCで髭剃り等を購入するための私の隣にピタッとくっついてきて、買い物カゴの中へ歯磨き粉やら日焼け止めやら、何食わぬ顔をしていくつかの私物を放り入れたテン。別途、チップを渡してあったのでその行為は釈然としなかったが、占いに付き合ってくれた恩義があるので、止む無くそれを支払った。

テンの奴、このチャンスを逃すまいとカサにかかって攻めたてやがる

これ以上、テンと行動を共にすると所持するバーツが枯渇しかねない。私はこれから用事があるからとテンを無理やりタクシーに押し込んで店へと帰らせると、

やれやれ、やっと帰ってくれたか

フゥっと大きく安堵の深呼吸をついたのであった。

好奇心の虫がうずいて仕方ない。こうなりゃ日本人占い師の実力も試してやれ

帰国後・・・

バンコクでの占いの内容は、ほとんど意味のないものであったのだが、ふと「日本人占い師の実力はどのくらいなのか」という好奇心が浮かび上がってきた。占い師をヤフーで検索してみると、出るわ出るわ。そのホームページには派手な宣伝文句が踊っていたのだが、私のような者には、とても信じがたかった。

しかし、ひとたび私の好奇心に火が点いてしまうと、もうどうにも止まらない。何名かの占い師を選び、同じ質問をぶつけてみる。そして、どのような結果が出るのかを、身をもって調査したいとの気持ちが、既に抑えきれなくなっていた。

だが、闇雲に占い師を選んでしまっては単なるお金の無駄遣いにしかならない。なるべくクチコミなどを調査の上、相当に信頼がおけそうな占い師を探すことにした。

そして調査の末、ある物書きが「未来を見通す霊感を持っている」と紹介していた、Aという占い師を第一候補としてチョイスした。少なくとも物書きがそう言っているのだから、ネット上のクチコミよりは信頼度が高いと思われたからだ。

高鳴る好奇心を諌めるように、私はAの占いセッションを予約したのであった。

さぁ、占い検証の始まりだッ!

検証1 霊感タロット占いのA

Aは、私の自宅から離れた遠方を活動拠点としているようだが、電話による遠隔セッションが可能だという。料金は1分200円程の時間制で課金されていく仕組みだ。

Aを紹介していた他の記事によれば、Aは霊感が強いので、客が電話で放った第一声だけをもって、受話器の向こうにいる依頼者がどのような人物であるのかも分かるのだという。ほほォ、これは面白い。予約した日時に、指定された番号へ電話した。

何しろ霊感占いである。私のような下賤な男が持ちえない霊能力でズバズバと悩める子羊たちを導いてくれるはず。そう思っていた私の予想は、のっけから裏切られた。

えっ? 霊感はどうしたの?

「もしもし」の一言で私の大体が分かるはずのAから、なぜか私のパーソナルデータを根掘り葉掘りと細かく聴取された。ムムムッ、これはオカシイぞ。私の猜疑心も跳ね上がる。

「◯◯について教えてください」と私が尋ねると、受話器の奥からタロットカードらしきものがシャカシャカと切られては並べるような音が聞こえてくる。そして、

占い師A

「はい、あなたの場合は・・・」

とAの霊感がタロットカードを介してお告げを出すのであった。あれから数年が経過したが、私が尋ねた「人生」「仕事」「家庭」、どれもがハズレもハズレ、大ハズレである。

特にふるっていたのが健康運に対する回答であった。まず、「体に具合の悪いところがないか? 以前、何かの病気に罹ったことはないか?」と質問されたので、いずれもないと答えると、例のごとくシャカシャカ音が聞こえてきた。そして霊感により導き出された回答というのが、

「はい、あなたは健康です」

であった。なんじゃあその答えは! これには一気に力が抜けてしまった。最早これ以上の時間を費やすのはお金をドブに捨てるようなものだ。ある物書きが未来を見通す霊感を持つ占い師として登場させていたA。たまたまAの体調が悪かったのか、それとも私が猜疑心の強い男だからなのか、Aの霊感とやらの実態は、❝0感ヤマ感第六感❞であった。

信頼度:パチンコのノーマルリーチ

的中度:Eランク

コスパ:極めて低い

講評:肝心なことが何一つ当たっておらず、どこに未来を見通す力があるのか分からなかった。こちらの情報を詳細に聴取した上、霊感と言うよりむしろ、占い師自身の経験則から、諸般の事情を踏まえて一般的な回答をしているだけであった。二度と相談することはないだろう。

検証2 霊感占いのB

電話による占いで大失敗したことから、今度は対面で占ってもらえる占い師を探すことにした。自宅から向かえる範囲で、なおかつ信頼できそうな占い師を、である。

ネットで調査したところ、Aと同じく霊感を売りにする占い師Bを見つけることができた。Bは、タロットや水晶玉などを用いず、霊視だけで勝負するようだ。多少遠いが検証のためやむを得まい。早速予約し、Bの待つある町へと出発した。

セッションは60分一本勝負の6,000円。手元のキッチンタイマーを占い師Bが押すと、占いがスタートしたのであった。

私はここでも、Aにしたのと同じ質問をぶつけてみることにした。するとやはり、霊感を売りにするBであるのに、なぜか私のバックグラウンド情報を詳細に尋ねられたのである。この点もAと同様の流れであり、なんだかイヤーな予感がした。

その予感は、Bの霊視による「あなたには太ったおじいさんの守護霊がついている」で確信に変わった。私の家系には父方母方を含めて、誰一人として肥満体はいないのである。何世代にも遡れば一人くらいはいるのかもしれないが、にわかには信じがたかった。

また、仕事運などを視てもらうと、やはりAと同じく、霊感と言うより私の状況を踏まえての一般論が返ってきた。私のことを良く知る高校時代の先生に相談したときのような答えであった。

ただ、霊感占いとして活用するのではなく、悩みごとホットライン的なものとして話を聞いてもらいたい人にはいいかもしれない。なぜならBは、あたしゃ占い師だぞと肩ひじを張るようなことはしておらず、人柄は悪くなかったからだ。

信頼度:政治家の公約

的中度:Dランク

コスパ:低い。ただし、話を聞いてもらいたい人なら相応か

講評:「霊感」と素人が聞くと、何だかすごい能力のように感じてしまうものだが、霊感にもおのずから強弱や濃淡がある訳で、何でも分かるはずだと過度に期待するのは禁物である。むしろ占いを受けるこちら側が占い師の能力を冷静に分析することで、占い師との付き合い方を適切に保つことができよう。

ここまで、日タイの占いを小括する

占い肯定派の方には申し訳ないが、ここまでを振り返ると、占いが「当たるもの」であるとは思えなかった。だが、カウンセラーとしての存在意義を否定するものではないし、占いが我々の日常生活に潤いを与えてくれていることも事実であろう。

しかし私は、世界のどこかに信じられないような特殊能力を持つ占い師がいるはずだとも信じている。それはインドの山奥かもしれないし、東京のど真ん中かもしれない。そして、その特殊能力で、私の猜疑心を打ち砕き、ビックリするような事を言い当てて欲しいとも願っているのである。

どなたか本当に「当たる」占い師をご存知の方がいらっしゃれば、是非とも私にご教示くださらぬか。全国またはタイへ、出張被鑑定に出かけたいと思っている。

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