パイロット詐欺事件の現況報告①「在タイ日本大使館は頼れる存在?」

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【2019年 6月 最新情報】

この記事の内容は……

● バンコクでパイロットになりすました詐欺師による日本人の被害は、現在も続出している

● なぜなら、タイ警察も在タイ日本大使館も本気で取り合ってくれず、犯人を野放し状態だからである

● 邦人被害者の要請に知らん顔。タイ警察と同様に事件を放置する在タイ日本大使館に「喝!」

パイロット詐欺事件の現況報告①「在タイ日本大使館は頼れる存在?」

恐れていた事態が生じてしまった。パイロットに成りすました詐欺師による日本人被害者が、また出てしまったのである。

今年の5月に入ってから、当方に2件の被害情報が寄せられたことに照らすと、その被害の実数は、数倍以上であることだろう。

さて、私たち日本人旅行者が旅先でトラブルに見舞われた時、これを援護する公的任務を負っているのは、果たしてどこであろうか?

それは言うまでもなく、日本の在外公館である。任務を果たすため、手当てを含んだ給料をもらいつつ、現地で仕事をしているのである。事実、外務省によれば、

邦人の生命・財産を保護することも重要な任務です

と明確に謳っているのである。

さて昨年来、私はこの場においてバンコクにおける日本人を狙った詐欺事件を報じ、注意喚起を促してきた。ところが残念なことに、「私も騙されてしまいました」という日本人被害者が後を絶たなかったのである。

本ブログに情報を寄せてくれた被害者のある方は、在タイ日本大使館に被害を通報。すると、在タイ日本大使館のホームページ上で、本件詐欺事件の情報が掲載された。

バンコク都における邦人詐欺被害の多発(2018.12.27)

それでも、日本人の被害に歯止めがかかることはなかったのであるが、日本大使館では詳細な情報を掴んでいないため、これ以上のことができない事情があるのだろうか?

いいえ

実は違うのだ。私たちの情報提供により、日本大使館においても、随分前から事件の詳細を掴んでいるのである。

「えっ? だったらなぜ、事件を放置しているの?」

「邦人の財産を守るという任務は、どうなっているの?」

至極もっともな疑問の声が聞こえてきそうである。犯人の正体については、次回で詳細にご報告するとして、今回の記事では、果たして

「在タイ日本大使館は頼りになる存在なのか?」

邦人援護班に在籍する彼らの仕事ぶりについて、事実関係をレポートする。

すでに犯人は特定済み。そいつが「誰」で「いつ出入国するのか」も、「タイでの所在」も、分かっている

前回の記事で、犯人はアラブ系ではなく「インド系」であると述べた。「インド系」というのは、インド人ではないからである。

実は、犯人はパキスタン人なのである(詳細は次回にレポートします)。

では、なぜ犯人を特定することができたのか?

それは、本ブログに情報提供して頂いた詐欺被害者の内の1人である、Aさんの多大なご協力によるところが大きかった。

Aさんは、被害後に再度タイを訪れた際、事件の詳細を書面にまとめて被害届を作成し、これをタイ・ツーリストポリスに提出されたのである。

警察当局は、防犯カメラのビデオ映像などを解析。すると、犯人の本名や国籍、出入国記録のすべてを把握するに至ったのであった。

ここまで分かれば時間の問題。すぐに逮捕してくれるだろう

そんな風に考えた私たちであったが、実に甘い考えであったことを痛感させられたのである。なぜなら、答えは簡単である。

だって、タイだから

コーヒーの値段でカフェラテを飲み、たった50円の差額を免れんとした男がコンビニで逮捕されてしまうような日本だが、タイでは、何十万バーツを騙し取った犯人が特定され、所在が判明していたとしても、警察が重い腰を上げることは滅多にないのである。

だって、タイだから

あなたも子供の頃、母親に「早く宿題やりなさい」と言われた時、「いまやるところだよ」だとか、「おなかが痛くなった」だとかの弁解をして、やるべきことをやらずに逃げきろうとした経験はないだろうか。

これと全く同じことが、タイ警察にも当てはまるのである。

何度も何度も、繰り返し逮捕を要請するも、その度ごとに言を左右にするのである。たとえば、こんな弁解もあったっけ。

「空港の非常警報システムが壊れていた」

まんまとタイを出国していった犯人を、なぜ空港で取り逃がしたのかと質問した答えがこれだった。

きょうび、テロとも戦う一国の出入国管理において、そんなことはあり得ないことだろう。子供じみた弁解には、ひどく失望させられてしまった。

だが、一事が万事この調子なのである。挙句、「Aさんの出した被害届だけでは証拠が足りない」と言い出したり、「裁判所に任意で呼び出しを掛ける」など理解に苦しむ話まで出て、事件は「迷宮入り」する寸前まで来ていたのであった。

このままのアプローチじゃダメだ

Aさんの他、Bさんという被害者の方も協力してくださることになり、私たちは対策を協議した。そこで出された答えの一つが、

在タイ日本大使館から、タイ警察へ逮捕を要請してもらうこと

であった。一介の旅行者でなく、一国の大使館からの要請とあっては、無下にはできないだろうとの考えからである。

大使館員の素早い行動には私たちも感激。だが、それでも動かぬタイ警察

Bさんは早速、在タイ日本大使館内にある邦人援護班あて、事件の概要と「タイ警察に逮捕を要請して欲しい」旨を申し立てた。

邦人援護班 (02-207-8502、02-696-3002)
ryouji-soumu@bg.mofa.go.jp

すると驚いたことに、Bさんの元にタイから国際電話がかかってきたのである。相手は、邦人援護班のH事務官からであった。

在タイ日本大使館、邦人援護班のHです。

バンコクにて詐欺被害に遭われたそうですね。こちらからタイ警察に捜査を要請いたします。

【在タイ日本大使館 H事務官からの国際電話】

まさかバンコクの日本大使館から直電があるとは思ってもいなかった私たちであったが、想像以上の初動の速さと行動力に、正直、感激しさえたのである。

さすがに日本の大使館員さまだ。偉いッ

さぁタイ警察といえど、日本大使館から要請があったとなれば簡単に無視できまい。私たちに、犯人逮捕の機運が一気に高まった。

実際、タイ警察の捜査官は両替所に聞き込みを再開するなど、捜査を活発化させたのである。

▲両替所にて聞き込みを行う捜査官。証拠も揃い、あとは犯人の身柄を確保するだけなのだが……

ところが、である。

またしてもタイ警察が、逮捕にぐずり始めたのだ。その内容は、日本人被害者が到底納得できるものではなかったのである。

×月×日に犯人を警察署に呼ぶ。

そこであなた(被害届を提出済みのAさん)に返金させるから、もう、それでいいだろう?

【タイ ツーリストポリス 担当捜査官】

なんと、被害届を提出したAさんに返金させることをもって、事件の幕引きを図ってきたのである。被害者はAさんだけではないし、多くの日本人被害者が怒りに震えているのだ。到底、納得できるものではない。

ぶっちゃけ、逮捕するのって面倒臭いんだよ。しかも、犯人は外国人でしょ。手続きだって色々あるし、人員だって配置しなくちゃいけない。お金が返ってくれば、それでいいじゃない

そんな思惑が見え隠れしたのであった。

逮捕に動かないタイ警察。頼みの日本大使館も態度をがらりでノラリクラリと逃げの一手。現在、事件を「完全スルー中」

私たちは、あくまでも「逮捕」を求めた。何度も求めた。

すると、これまで比較的とれていた連絡が、次第に取れなくなってきたのである。

つまり、こちらからの連絡を無視し始めたのだ。相手からすれば、いい加減、うざうざしいためだろう。

だが、そうこうしている内にも日本人被害者は増え続けているのだから、のんびりしていることなどできない。そこで再度、日本大使館へ「タイ警察に逮捕を強く要請してください」旨の申立を行ったのである。

前回、素早い対応により、私たち日本人旅行者から尊敬を集めた邦人援護班のH事務官。「H事務官の要請にも拘わらずタイ警察は仕事をしないので、もう一度強く要請してください」というお願いを私たちは行った。

行動力あるH事務官なら、きっと何とかしてくれるだろう……

しかし、そんな私たちの信頼は、もろくも崩れ去ったのである。何が気に障ったのか知らないが、彼は態度をガラリと一変させると、打って変わった塩対応になってしまったのである。

私たちの切実なる訴えに対し、返ってきた言葉が

捜査状況を確認しつつ、必要な働きかけをしていきたいと思います。

ご理解のほど、よろしくお願い致します。

【在タイ日本大使館 H事務官】

えっ? これって、やる気ゼロですやん……

これ以上何もしないけど、まァ悪く思うなよフフフ、ってことかよ……

Aさんにも、Bさんにも、同内容の文面が送られてきたそうだ。おそらく、コピペしたのだろう。

H事務官は、日本人旅行者の強い味方になってくれるー。

実際には一方的だったとはいえ、そんな信頼感を抱いていた私たちであったから、このような「内容とやる気のゼロ回答」には煮え湯を飲まされた想いであり、心底失望させられた。

タイ警察は動かず、在タイ日本大使館も動かず。したがって、野放し状態の犯人は、この間も日本人をカモにして詐欺働きを繰り返していた。

現に5月初旬、私の元へ「被害に遭った」との新たな被害申告が寄せられたのである。

日本人旅行者が被害に遭い続けているというのに、日本大使館はいつまで事態を放置するつもりなのか!

強い義憤にかられた私は、邦人援護班あて、約1か月ぶりに送信したメールにおいて、厳しい質問をぶつけてみた。

前回のお話では、捜査状況を確認しつつ必要な働きかけをする」とのことでした。

では、具体的に、どのように「捜査状況を確認」し、どのような「必要な働きかけ」をしたのですか?

すると返ってきた答えが、これまた木で鼻をくくったような、典型的な「問いに答えない」役所的回答だったのである。

「捜査状況の確認」及び「働きかけ」ですが、被害届がすでに提出されており、タイ警察により捜査が着手されていることから、タイ側に一任する他ありません。

結局大使館側としましても直接タイ警察に聞き及んではおりますが、明確な回答も得られていない状況です。

何卒、ご理解くださればと存じます。

【在タイ日本国大使館 事務官】

要するにこの1か月、何もやってないじゃん……

やる気なしを理解できるはずがないだろう!

私たちも、日本大使館に捜査権がないことは百も承知しており、そのため、まずはタイ警察に被害届を提出し、再三再四の逮捕を要請する等、できる限りのことを行ってきた。

それでもタイ警察が重い腰を上げなかったことから、藁にもすがる想いで在タイ日本大使館に援護を要請した次第である。

それなのに「被害届が出されていて捜査に着手しているからタイ警察に一任する以外にない」という理屈は、タイ警察に捜査を要請しない理屈としては、全く筋が通っていない

仮に被害届が出されていなければ、「日本大使館に捜査権はありませんので、タイ警察に被害を届けてください」と突き放すはずだ。つまり、被害届の提出がどうであろうと、いずれにしろ援護するつもりがなく、後付けの理由でしかないのである。

逮捕の要請などの「お願い、状況確認」なのだから、電話一本、何度でもできるはずである。そしてまた、できないという理由かふるっている。

「だって、返事がないんだもん。仕方ないでしょ」

って、子供の言い訳か!

挙句の果ては、タイ警察と同じく、日本大使館からも連絡がぷっつりと途絶えてしまった。つまり、本件事案を、完全に無視し始めたのである。

邦人の生命・財産を保護することも重要な任務です

在外公館で働く職員は、まさに上記の使命を負って現地に赴任しているのではなかったか。そう、手厚い赴任手当を支給されたうえで。

にも拘わらず、日本人旅行者の切実なる訴えに耳を貸さない姿勢には、「おいおい、重要な任務だろ? 無視せず、ちゃんと仕事してくれよ」と、甚だ残念な気持ちになった。

外務省本省も姿勢は同じで役所三原則を堅持。「やれない、やらない、やりたくない」

現在、在タイ日本大使館に人事異動が生じ、H事務官からM事務官へと担当が代わったのだが、この彼もまた、私たちの要請に聞く耳を持たない御仁なのである。

引継ぎ事項に「ノラリクラリと要請をかわし続けること」があったと見え、全く埒が明かないのだ。そこで私たちは、外務省本省へ経緯を説明し、現状を打開するための要請をしてみることにした。だが、その結果は……

無駄でした

およそ役人たるもの、何を差しおいても、「できない理由」「やらない理由」を無理やりでも捻りだす習性があるのだが、ここでも例外ではなかった。

また、在タイ日本大使館の邦人援護班について問い合わせたとき、南東アジア第一課に所属する30代くらいの男性事務官など、

「邦人援護班なんて、在タイ日本大使館には存在しません。ありませんッ」

居丈高に断言したのである。正確には、在タイ日本大使館内にある「領事部」に邦人援護班があるようなのだが、私が「大使館の邦人援護班」と言ったため「存在しない」と回答したのかもしれない。もしそうだとすれば、極めて意地の悪い回答であるし、存在を知らなかったのだとすれば、外務事務官失格だろう。

いずれにしろ、横柄さだけが突出していた反面、虚心坦懐に耳を傾ける姿勢がこれっぽっちも感じられず、非常に残念であった。

被害者からのお願い

在タイ日本大使館も外務省本省も、どうやら被害を放置するつもりのようである。やる気のない彼らの重い腰を上げさせるためには、私たち旅行者の小さな声を大きな輪にしていく必要があると思われる。

野放しとなっている犯人を逮捕し、日本人が安心してタイを旅することができるように、情報提供または関係当局への要請等、皆様のご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

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